理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: NP812
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測定・評価
ステップ動作における足位の変化と骨盤周囲との関係
矢状面における検討
*大平 功路山村 俊一福永 洋美福田 陽介亀ヶ谷 忠彦
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抄録
【はじめに】臨床において、立位や歩行での疼痛が足位により変化することを経験する。疼痛の増強・軽減する局所のストレスを評価し、動作形態の操作を足部より行う場合、その運動連鎖について不明なことが多い。そこで、今回は歩行形態に近いと思われるステップ動作において足位を変化させ、骨盤周囲の動きを測定し、検討を行ったので報告する。【対象・方法】対象は、運動器疾患を有さない成人男性6名(年齢24.5±0.6歳)である。被験者にToe out30°(以下out)、中間位0°、Toe in20°(以下in)の各々でステップ動作を行わせ、3次元動作解析システムVICON370(Oxford Metrics社)で10秒間測定した。その際、歩幅は規定しないで、歩隔に関しては振り出し側を正中に出すように口頭指示した。測定項目は腰椎角度(L1-L3-L5)、骨盤の前後傾(S2とPSISを結ぶ線が水平面となす角)、支持側股関節屈伸(腸骨稜-大転子-膝裂隙)、立脚中期から全足底接地までの外果の移動量(以下swing幅)で矢状面において検討した。【結果】out、中間位、inのすべての足位で、股関節は伸展運動し骨盤は後傾運動する傾向を示した。股関節においてステップ開始時の肢位はout、中間位、inのすべての足位で差はなく、可動性はout、中間位、inの順で伸展の動きが大きくなる傾向を示した。骨盤において、開始肢位はout、中間位、inの順で前傾位をとり、可動性はout、中間位、inの順で後傾の動きが小さくなる傾向を示した。腰椎に関しては、同一被験者・同一肢位においてばらつきが多かったが、out、中間位、inのすべての足位に共通する傾向として6人中5人で立脚中期以降で伸展の動きがはいり(1名は反対に屈曲)、足位による変化では、6人中5人でout、中間位、inの順で腰椎は伸展位をとる傾向があった。同一被験者・同一肢位において、腰椎、骨盤、股関節の3部位の関係では、2つの部位でばらつきがなく、残りの1つの部位でばらつきがあるという傾向があった。また、同一被験者・同一肢位において股関節伸展運動ではinで、骨盤後傾運動ではoutでそれぞればらつきが少ない傾向があった。swing幅はoutよりinで少ない傾向を示した。【考察】Toe outからToe inになるにつれて、肢位では骨盤は前傾位、動きでは股関節伸展運動が増大し、骨盤後傾運動が減少する。これは、Toe inでは股関節は内旋位で、それに伴い骨盤は前傾位になり、振り出し時に骨盤の後傾が制限されるため、それを股関節伸展で代償しているのではないかと考える。一方、swing幅がToe inで少ない傾向を示していることから、歩幅に影響する因子として股関節伸展以外にも骨盤の後方回旋や足背屈など他の因子もあると考えられる。また、腰椎は骨盤の前傾に伴い伸展するため、Toe inではToe outに較べより伸展位をとっていると考えられる。今回の結果から、足位が骨盤周囲の肢位や動きに影響を及ぼすことが示唆される。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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