理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: PO864
会議情報

地域リハビリテーション
当院診療圏内における実用歩行スピードの調査
*有北 賢一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
はじめに 一般に10m歩行においては約10数秒が実用歩行スピードと言われている。しかし、当院外来患者(13秒/10m)は点滅信号を渡り切れず、非常に危険な思いをしたと言う。そこで、当院診療圏内(広島市安芸区矢野)における各信号機の点灯時間と道幅を調査し、実用歩行スピードについて検討した。方法 広島市安芸区矢野における各交差点で、各信号機の点灯時間、及び点滅時間を計測した。この計測時間を道幅(m)で割り、これに10mを掛け、10m歩行スピードを算出した。各交差点において最も速い10m歩行スピードを要する信号機1つをデータとし、信号機のある全交差点の10m歩行スピードの平均値、最高値、最低値を算出した。また、各信号機での10m歩行スピードは地図に直接記載した。結果 各信号機における10m歩行スピードの平均値は18.3秒/10m、最高値は13.3秒/10m、最低値は28.8秒/10mであった。また、点滅時の10m歩行スピードの平均値は4.4秒/10m、最高値は3.0秒/10m、最低値は6.3秒/10mであった(小数点第2位以下四捨五入)。考察 当院診療圏内では13.3秒/10m以上の10m歩行スピードがあれば交差点を渡れることがわかった。しかし、これは信号点灯直後からの10m歩行スピードである。信号が点滅してからでは、最低でも6.3秒/10mのスピードがないと渡り切れず、これよりも遅い患者については、点滅してからは渡らないよう指導する必要がある。このように、信号機のある交差点については、実用歩行スピードをどの値に置くかは難しい。幸い、各信号機における結果を直接地図に記載しているので、各患者の10m歩行スピードと通過する各交差点に応じてアドバイスすれば良いと考える。 調査の過程において、信号機の点灯時間等は、交通量や地域住民の要望により変更できることがわかった。今後、患者を含む地域住民が危険を感じるような交差点については、地域住民が安心して出かけられる街づくりの一助となるべく、今回のデータを参考として、行政にも提案していけるのではないかと考えた。
著者関連情報
© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top