日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 2B-p6
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口頭発表
熟度の異なる大納言小豆の調理特性に関する基礎的研究
松井 元子*稲村 真弥田邊 愛梨古谷 規行蘆田 哲也饗庭 照美冨田 圭子大谷 貴美子
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キーワード: 小豆, 熟度, 調理特性
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抄録

【目的】 我々は先に、小豆の調理特性に及ぼす要因を探る目的で、産地、品種、収穫方法、収穫後の処理などの影響について報告した1)。そこで、本研究では、熟度の異なる(完熟莢・黄莢・青莢)の小豆の特性に関して、調理科学的な視点から比較検討した。
【方法】 小豆は京都大納言の熟度の異なる莢(完熟莢・黄莢・青莢)からの豆を試料とした(2007年11月8日、京都府丹後農業研究所にて採取)。これらは収穫時には種皮の色が異なるが、乾燥後には見分けがつかなくなる。これらについて、百粒重、色差((株)ミノルタ製色彩色差計、CR-300)、吸水率、煮たときの崩壊率(胴割れ率)、硬さ((株)山電製クリープメータRE-3305)を測定した。さらに、小豆の調理特性に大きく関わる種皮部の細胞壁構成多糖を分画し、構成割合を比較・検討した。
【結果】 百粒重には3試料間で差がなかった。乾燥後の豆の色調は、完熟莢豆のほうが黄莢豆より有意に明度が低く、小豆は熟すに連れて明度が低下する。水に浸漬後の吸水は、どれも穏やかなS字状に進み、24時間後はすべて元の重量の約2倍に膨潤した。浸漬の有無による煮熟増加率は3試料とも浸漬処理無しの方が高かった。崩壊開始時間は熟度が低いほど早く煮崩れることが示され、水煮小豆の破断強度の測定結果からも、完熟莢から得られた豆は未熟な莢のものと比較すると崩壊しにくく、短時間で軟らかくなる事が示唆された。種皮部の細胞壁構成多糖の分析から、未熟莢小豆の方が完熟莢小豆よりも細胞壁を構成するセルロース・ヘミセルロースの割合が高いことが示され、一方、細胞間接着物質であるペクチン画分は、完熟莢小豆に多いことが示唆され、現在、より詳細に煮くずれとの関係を検討中である。
参考:1)田邊愛梨、松井元子ら:京都府産小豆の品質特性に関する基礎的研究、日本家政学会関西支部第30回研究発表会講演要旨集、p.14、2008
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© 2009日本調理科学会
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