理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: TP352
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健康増進
健常高齢者におけるPGCモラールスケールに影響する要因
*小林 量作黒川 幸雄村山 伸子西脇 京子
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キーワード: QOL, 幸福感, 疾病
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抄録
【はじめに】 在宅高齢者の介護予防事業として健康増進、転倒予防を目的とした事業が、各地市町村で取り組まれている。これらの事業では、在宅高齢者の身体的機能だけでなく主観的QOLについての検討も重要な側面である。我々は「名立町高齢者の水中運動等による運動習慣と健康関連及び介護予防に関する調査事業」を実施している。その中で高齢者の主観的QOLとしてPGCモラールスケール(以下PGC)を測定し、PGCに影響を与える因子について検討したので、その結果について考察を加え報告する。【対象及び方法】 対象は、名立町に在住する「高齢者」186名、男性58名、女性128名、年齢は57歳から90歳、平均70.3歳±6.3歳である。全対象者には調査の目的を説明し、書面による同意を得た。 方法は、調査会場においてアンケートを回収した。設問の読解や回答記載で困難な場合は保健師などが聞き取った。統計的処理は、t検定、分散分析を用いた。【結果】 PGCと次の項目について検討した。1.性別とPGC得点は、男性13.8点、女性13.7点であり、有意な差はなかった。2.年齢とPGC得点は、50歳代15.2点、60歳代13.4点、70歳代13.9点、80歳以上13.7点であり、有意な差はかった。  3.活動性の指標として介護予防アセスメント表より「転倒関連項目」7項目を用い、その合計得点とPGC得点に有意差はなかった。4.「社会生活関連項目」7項目の合計得点とPGC得点に有意差はなかった。 5.「疾病関連項目」7項目の合計得点とPGC得点は、「疾病」を持っていない者がPGC得点が高かった(p<0.05)。この下位項目では、「この1年間に入院したことがある」者(12名)のPGC得点が低かった(p<0.05)。【考 察】 自立している在宅高齢者の介護予防調査事業の一環として、PGCを測定した。その結果、性別、年齢、活動性、社会生活においてPGC得点と有意な関係を示さなかった。この理由として名立町が人口約3400人の農魚村地域であり、似通った自然環境の中で均質的な生活傾向・社会傾向を持っているためと考えた。「疾病関連項目」の合計得点および入院経験とPGC得点が有意な関係を示したのは、疾病や入院などがPGCの低下に影響しているためと考えた。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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