理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1010
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骨・関節系理学療法
足部運動が関与する運動課題に足部筋力と足アーチが及ぼす影響
*尾田 敦, 成田 大一, 武田 さおり
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キーワード: 足アーチ, 筋力, 運動能力
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抄録
【はじめに】第38回本学術集会において,足部アーチの評価方法として足底接地面の評価よりもアーチ高率(足アーチ簡易測定法)の方が足趾筋力や足関節底背屈筋力の側面からみて妥当性が高いことを報告した。しかし,これらの足部筋力およびアーチ評価が実際の運動課題遂行能力にどの程度の影響力を持っているのかが不明確であったため,今回は足部運動が関与すると思われる運動課題を取り上げて,足アーチ・筋力・体格が成績に及ぼす影響を検討した。
【対象と方法】健常女性26名(平均年齢21±2歳,平均身長158.8±3.9cm,平均体重53.3±7.2kg)の52足(常時使用する靴の平均サイズ23.9±0.6cm)を対象とした。運動課題には,下肢の機能的運動能力テストであるFunctional Ability Test (以下,FAT)を用いた。FATは,(1)片脚幅跳び,(2)片脚8の字跳躍,(3)片脚横跳び,(4)片脚段差昇降,の4種目からなり,裸足で行わせた。種目順番は無作為とした。足アーチの評価には,荷重位での舟状骨高を足長に対する比で表すアーチ高率(%)を用いた。また,より簡易な観察による尺度として,Pedoscope上立位での足跡形状からfoot printを採取し,足長,足幅から計算される足底矩形面積に対する接地足底面の面積の比を求め,足底面積比率(%)を算出した。足趾筋力は,既製のデジタル握力計を改良し荷重位での足趾屈曲力を測定した。また,ベッド上にて足関節の背屈および底屈筋力をDigital Dynamometerにて測定し, lever armを乗じてトルク値とした(背屈トルク, 底屈トルク)。統計処理には, Pearsonの積率相関係数, FATの各種目成績を目的変数,その他の変数を説明変数とした重回帰分析(変数減少法)を用いた。
【結果と考察】各説明変数間の関係では,足底面積比率とアーチ高率との間に有意な相関はみられず(-0.068),接地面積は骨格構造上の足アーチを正確に反映する尺度とはいえなかった。足底面積比率は底屈トルクとの間に弱い負の相関(-0.329, p<0.05)を示したのみであったが,アーチ高率は背屈および底屈トルクとそれぞれ-0.351(p<0.05),-0.472(p<0.01)と負の相関を示した。FATの結果は,4種目とも体重との間に有意な相関を示し,体重が軽いほど成績が良好であったが,筋力との関係では幅跳びと横跳びが底屈トルクと有意な相関を認めたのみで他の筋力との相関は有意ではなかった。アーチ高率との関連性を認めたのは横跳びのみで他の3種目は有意な相関ではなかった。重回帰分析の結果においても,幅跳びと段差昇降は主に体重の影響が大きかった。8の字跳躍と幅跳びは足関節底背屈筋力との関連性が示唆され,足趾筋力はいずれの種目でも選択されなかった。アーチ高率は横跳びのみで有意な変数であった。いずれの種目も重回帰モデルとしては統計的に有意であったが,これらの種目では体重による標準化を考慮するべきであると同時に,足アーチおよび足関節筋力の影響を受ける種目をより慎重に選択していく必要性が伺われた。
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© 2004 日本理学療法士協会
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