抄録
【目的】CVA片麻痺患者を対象にBerg Balance Scale(以下BBS)を施行し歩行自立度とバランス能力との関連性を検討した。
【方法】対象は、当院に入院および外来通院し理学療法を施行しているCVA片麻痺患者103例(右片麻痺68例・左片麻痺35例、男性75例・女性28例)平均年齢67.9±11.8歳であった。BBSは14項目の課題から構成されている。14項目の合計をBBS得点すなわち0~56点の範囲となる。歩行自立度は、歩行自立群と歩行非自立群の2群に分類した。さらに歩行自立度を3群に分類。屋外歩行が自立し、かつ信号機の横断も独力可能な群をA群、屋外歩行は自立しているが信号機の横断は独力不能な群をB群、屋内歩行自立群をC群としまた。分析項目として歩行自立度とBBS得点また、3群間でBBS細項目の相関について比較検討した。
【結果】1.歩行自立度とBBS得点;BBS平均得点は歩行自立群50.2±4.9点、歩行非自立群25.4±16.8で有意差を認めた。(p<0.001)
2.歩行自立度3群とBBS細項目.;A―B群間で有意差を認めたテスト項目は、「左右へ振り向く」(p<0.05)「前方リーチ」「360度回転」「立位での台へのステップ」「継ぎ足立ち」「片足立ち」(p<0.01)でB-C群間では「移乗」(p<0.05)で有意差を認めた。
【考察】今回の結果より歩行自立度とBBS得点は歩行自立-歩行非自立群間で高い有意差を認め歩行自立度が高いほどバランス機能が保たれているという結果がられた。Usudaらや望月の報告によると屋外平地歩行の平均値は、51.4点であり40~45点が屋内歩行自立の目安としている。今回の研究では歩行自立群の平均得点は50.2点で範囲は56~40点であったことより同様の結果であったと思われる。歩行自立度3群とBBS細項目ではA―B群間で有意差を認めたテスト項目は、6項目で特に5項目で高い有意差を認めB-C群間では1項目で有意差を認めた。丹羽によるとBBS14項目中で「立位での台へのステップ」は最も歩行能力と関連性が高いと報告している。今回最も有意差の高かった項目は「立位での台へのステップ」であり報告と同様であった。BBSはCVA片麻痺患者の歩行能力獲得の指標となり得る。
【まとめ】1.CVA片麻痺患者を対象にBerg Balance Scale(以下BBS)を施行し歩行自立度とバランス能力との関連性を検討した。
2.歩行自立度とBBS得点;BBS平均得点は.歩行自立群50.2±4.9点、歩行非自立群25.4±16.8(p<0.001)。
3.歩行自立3群とBBS細項目.;A―B群間で有意差を認めたテスト項目「左右へ振り向く」(p<0.05)「前方リーチ」「360度回転」「立位での台へのステップ」「継ぎ足立ち」「片足立ち」(p<0.01)B-C群間「移乗」(p<0.05)4.BBSはCVA片麻痺患者の歩行能力獲得の指標となり得る。