抄録
近年,細菌性髄膜脳炎の死亡率は約 20%に低下したが,一方でさまざまな後遺症が残存することがある.糖尿病とアルコール性肝硬変を有する69 歳男性が,クレブシエラ肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)による敗血症から髄膜脳炎を発症した.抗生剤治療をふくめた全身管理により神経症状は改善したが,片側性眼内炎を併発して硝子体切除術などの眼科治療を施行した.視力低下は残存したが失明にはいたらなかった.クレブシエラ菌は難治性眼内炎の起因菌として眼科領域では重視されており,本菌の血行感染部位として注意する必要がある.