日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第10回大会
セッションID: P4-17
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ポスター発表4(記憶②)
エピソード的未来思考における中央実行系の役割
*伊藤 友一服部 陽介川口 潤
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抄録
人間は,将来自分の身に起こると思われる出来事について自己を投影し,ありありとイメージすることが出来る。そのような能力は,エピソード的未来思考と呼ばれている。エピソード的未来思考においては,過去のエピソード記憶から得た詳細情報を柔軟に統合するシステムが想定されている。特に近年の研究で,詳細情報を統合する際に,中央実行系が重要な役割を担っていることが指摘された。そこで,本研究では,中央実行系に高い負荷をかけた場合,詳細情報の統合が困難となり,イメージの詳細さが低下するかどうかを検討した。具体的には,エピソード的未来思考中に二重課題に取り組ませることで,中央実行系への負荷の程度を操作した。その結果,高い負荷をかけられた参加者において,未来のイメージの詳細さの低下を示す結果が得られた。本研究は,詳細情報を統合し,イメージを精緻化するために,中央実行系が重要な役割を担っていることを示している。
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© 2012 日本認知心理学会
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