抄録
先行研究において、反すうは原因分析、理解、制御不能性の側面があり、それらにによって生じていることが示唆されている。近年の研究では反すうの制御不能性とマインドフルネススキルである脱中心化の間に負の相関がみられ、制御機能は脱中心化に影響しているとしている。この研究の目的は反すうの制御不能性と制御機能、脱中心化の関連を検討することであった。それらの関係性を検討するために、大学生291名を対象に、反すうの制御不能性、制御機能、脱中心化、反すうの各尺度を実施した。結果として、制御機能は脱中心化に正の影響があり、脱中心化と反すうの制御不能性に負の影響があった。また、制御機能の反すうの制御不能性に対する間接的な負の影響がみられた。これらの結果から、脱中心化できない人は制御機能が低く、反すうの制御不能性に陥りやすいことが示唆される。