日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第14回大会
セッションID: P1-27
会議情報

ポスターセッション1
購買場面における視線手がかり効果の消失
*高尾 沙希有賀 敦紀
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

視覚システムは、他者の視線が向けられた位置に対して自動的に注意を向ける(視線手がかり効果)。しかし、実際には他者の視線手がかりを利用するか否かは社会的文脈に依存すると考えられる。実験1では他者が存在する場面を利用しやすいと考えられる購買場面(店舗内条件)と、そうでない自然場面(店舗外条件)、背景なし(統制条件)で視線手がかり効果の測定を行った。結果、店舗内・背景なし条件で同程度の視線手がかり効果が生じたものの、店舗外条件では視線手がかり効果が消失した。実験2では、実験1の店舗内条件の視線手がかり効果の消失は、画像の社会的文脈もしくは物理的特性のどちらによるものかを調べるために、画像を上下逆さまにし、同様の実験を行った。結果、どの条件でも視線手がかり効果の傾向が確認された。以上の結果は、購買などの意思決定の際には、他者に惑わされないように無意識的に視線認知を抑制している可能性を示唆している。

著者関連情報
© 2016 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top