本研究は,単語の指示物と単語の色彩の適合性が意図記憶における有効な検索手がかりになる可能性を検討するために行われた。28名の専門学校の女子学生を対象にして,意図記憶手続きを用いた集団実験を行った。参加者は各単語の色彩に一致する色を4つの色選択肢から選び,その単語を覚えるように求められ,その後,自由再生テストが与えられた。単語の色彩と単語の指示物の色彩が一致している場合が,一致していない場合よりも再生率が高かった。この結果は,単語の色彩が単語を検索するための有効な手がかりとなりうることを示すものとして解釈され,意図記憶におけるある種のストループ効果の可能性を示唆した。