日本調理科学会誌
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調整味噌床を用いた味噌漬けサワラ肉とメロ肉の味とテクスチャーの変化
宮内(古根) 康衣藤浪 典子市川 朝子下村 道子
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2009 年 42 巻 5 号 p. 275-284

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抄録
魚肉の味噌漬けは,伝統的調理・加工食品であり,保存と食味の向上を目的としている。実験では冷凍魚肉のサワラ肉とメロ肉をステーキ状にきり,味噌の割合が低い味噌床Iと味噌の割合が多い味噌床IIの2種類を調整して漬け込んだ。官能検査では,サワラは味噌床I又はIIに浸けた肉で5日間味噌に漬けたものが好まれたが,メロ肉では味噌床IIで,5,7日間漬けたものが好まれた。官能検査の結果好まれたものは,レオメーターで測定した硬さの値が高いものであった。魚を味噌床IIに漬けると筋節の肉は硬くなり,結合組織(筋隔膜)は,温水に溶出しやすくなった。サワラの結合組織のSDS-PAGE分析でコラーゲンの分解が起こっていることが示された。
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© 2009 一般社団法人日本調理科学会
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