抄録
3種の異なる糖(スクロース,ソルビトール,キシリトール)を使用して2レベルの糖濃度(150%,200%)のハードメレンゲを調製した。示差走査熱量測定とX線回折で測定したメレンゲ中の糖の結晶状態が,貫入試験で調べたハードメレンゲの硬化過程や硬化状態に与える影響を研究した。合わせて,製品の官能評価を行った。
室内において,スクロースメレンゲは1時間の放置で硬化し,キシリトールメレンゲの硬化には約6時間を要した。スクロースとキシリトールのメレンゲは硬化の状態がよく似ていた。ソルビトールメレンゲは9時間後に硬化し,スクロースやキシリトールメレンゲとは硬化状態が異なっていた。メレンゲの硬化時期は糖の結晶化の時期と対応していた。スクロースとキシリトールメレンゲ中の結晶はそれぞれの材料糖と同じタイプであったが,ソルビトールメレンゲでは材料糖と異なるタイプであることが分かった。
キシリトールメレンゲは冷感があったが,スクロースメレンゲと同様に好まれた。ソルビトールメレンゲはかなりかたいと判断された。