日本調理科学会誌
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強飯の食味特性と保存性に及ぼす煮熟黒大豆および煮汁添加の影響
加賀谷 みえ子木村 友子内藤 通孝菅原 龍幸
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2011 年 44 巻 1 号 p. 31-38

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抄録

機能性を有する黒大豆とその煮汁を有効利用するために,4種類の強飯(試料S:基本,試料A:pH3,試料B:pH5,試料C:pH7)および試料W(無添加強飯)を作成し,炊飯過程における化学的・物理的性状を比較し,好適な調理条件を検討した。
テクスチャーは,黒大豆の試料A(pH3)は試料S(基本)と比べて有意に硬くなり(p<0.05),強飯は試料C(pH7)が有意に軟化した。強飯の総ポリフェノール量とラジカル捕捉活性は,試料S,A,B,C,は試料Wに比べて有意に高く,2項目間で高い相関(r=0.93)を示した。一般生菌数はSに比べて試料A,Bともに抑制された。炊飯過程における好適な調理条件は,試料B(pH5)の弱酸性の強飯が良好で,試料S(基本)と比較して色が薄くなり,若干酸味を感じたが美味しさの評価では有意差はなく,保存性も優れていた。

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© 2011 一般社団法人日本調理科学会
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