機能性を有する黒大豆とその煮汁を有効利用するために,4種類の強飯(試料S:基本,試料A:pH3,試料B:pH5,試料C:pH7)および試料W(無添加強飯)を作成し,炊飯過程における化学的・物理的性状を比較し,好適な調理条件を検討した。
テクスチャーは,黒大豆の試料A(pH3)は試料S(基本)と比べて有意に硬くなり(p<0.05),強飯は試料C(pH7)が有意に軟化した。強飯の総ポリフェノール量とラジカル捕捉活性は,試料S,A,B,C,は試料Wに比べて有意に高く,2項目間で高い相関(r=0.93)を示した。一般生菌数はSに比べて試料A,Bともに抑制された。炊飯過程における好適な調理条件は,試料B(pH5)の弱酸性の強飯が良好で,試料S(基本)と比較して色が薄くなり,若干酸味を感じたが美味しさの評価では有意差はなく,保存性も優れていた。