抄録
ユズをクエン酸溶液(pH 2.7)に24時間浸漬,または加熱処理(100°C,10分),高圧力処理(500 MPa,30分)を行った際の組織の軟化とペクチンの溶出量との関係について検討した.外果皮の硬さは高圧力処理が最も硬く,次いでpH 2.7浸漬>加熱処理の順であった.高圧力処理を行っても細胞壁にゆるみは生じなかった.しかし,加熱処理すると,外果皮では変化がなかったが,中果皮の細胞壁の中層は分離した.ペクチン含量は,中果皮>外果皮>内果皮>果肉の順に多かった.各種処理後の外果皮に残存するペクチン量は,高圧力処理>加熱処理>pH2.7浸漬>ゆでこぼしの順であった.クエン酸浸漬によってCa2+が除去されるため,外果皮の約24%のペクチンが溶出した.外果皮のpHは3~4,ゆで汁は4.02であったため,加熱によるペクチンの分解は β-脱離ではなく,主に加水分解によることが明らかになった.