日本調理科学会誌
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五基本味およびすまし汁モデルの官能特性におよぼす乳酸カリウムの影響
柴田 圭子小林 泰行渡辺 毅彦安原 安代
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2013 年 46 巻 6 号 p. 381-388

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抄録
 本研究は,乳酸カリウム(PL)の官能特性を評価し,グルタミン酸ナトリウム(MSG)および食塩(NaCl)と組み合わせたすまし汁モデルにおいてPLの添加効果を検討した。PLの呈味の特性描写は,熟練パネル(13~15人)によりSD法を用いて行った。また,すまし汁モデルの呈味特性に対するPL添加の影響は, Scehfféの一対比較を用い,同じパネルにより行った。
 0.4~0.8%のPL溶液は乳酸ナトリウムと比べて若干苦味をもつが,塩味が弱わく穏やかな味であった。1%未満の比較的低濃度域において,それら乳酸塩の呈味特性は,温度によって影響を受けることが認められた。五基本味との組み合わせでは,酢酸溶液の酸味を除き,PLは基本味固有の味を抑制する効果を持っていた。0.6%の食塩を含むすまし汁モデルの実験では,PLの濃度が増加するに従い,塩味や酸味が弱まり,味のバランスが良くなり,味の質が快く受容性が向上した。これらの結果より,PLは味のバランスを取り,快い味にする役割をもつ傾向が認められた。
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© 2013 一般社団法人日本調理科学会
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