日本調理科学会誌
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魚肉混合ムース製品の創成とQOLを高める嚥下困難者用食品への応用適性
宮下 朋子松田 唯菜原田 和樹長尾 慶子
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2014 年 47 巻 2 号 p. 84-89

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抄録
本研究では,魚肉を主材料にして気泡を分散させた嚥下困難者用の軟らかいムース状の食品,すなわち,“ムース製品”を創成し,その健康増進機能性と嗜好性について検討した。スケトウダラが原料の“ムース製品”のテクスチャーは,「硬さ」18.59 kPa,「付着性」1.35 kJ/m3,「凝集性」0.60であり,嚥下困難者用食品の許可基準IIIに該当した。「5段階評点法」による官能評価では,「弾力」と「におい」以外は自らの評価基準(0)よりも高い評価をしていた。スケトウダラの“ムース製品”のORAC値は,583 μmol TE/100 gとなり,高い抗酸化能を有することが判明した。これらの結果により,“タラムース製品”は,健康増進機能性と嗜好性を高めた,嚥下困難者用食品になる可能性が示唆された。
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© 2014 一般社団法人日本調理科学会
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