日本調理科学会誌
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47 巻, 2 号
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平成25年度日本調理科学会学会賞受賞記念論文
平成25年度日本調理科学会奨励賞受賞記念論文
報文
  • 綾部 園子, 和田 尚子, 大石 恭子, 香西 みどり
    2014 年47 巻2 号 p. 76-83
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/06/06
    ジャーナル フリー
    ジャポニカ種のうるち米(おくのむらさき)ともち米(朝紫),およびインディカ種のもち米(Nursery sticky rice)の3種の黒米玄米を用いて炊飯による物理的化学的変化についてうるち米のコシヒカリ玄米を対照として実験した。
    黒米玄米の吸水速度は精白米より遅いが,白米玄米よりは早く,もち米のNursery sticky riceと朝紫はこの傾向が著しかった。朝紫は糊化開始温度が低く,糊化エネルギーが小さく,糊化しやすい米であった。黒米の米飯の遊離糖量はスクロースが最も多く,洗米による損失が少なかった。また,グルコースは炊飯により有意に増加した。また,Nursery sticky rice種皮と果皮に含まれるポリフェノールは抗酸化性があることが知られているが,その量は洗米で減少するが炊飯中も高値を保ち,黒米飯の抗酸化活性が期待できた。黒米玄米飯の物性はもち種でやわらかく,付着性があった。これらの結果から,100%の飯として利用可能するのであれば,朝紫が最も適していることが示唆された。
ノート
  • 宮下 朋子, 松田 唯菜, 原田 和樹, 長尾 慶子
    2014 年47 巻2 号 p. 84-89
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/06/06
    ジャーナル フリー
    本研究では,魚肉を主材料にして気泡を分散させた嚥下困難者用の軟らかいムース状の食品,すなわち,“ムース製品”を創成し,その健康増進機能性と嗜好性について検討した。スケトウダラが原料の“ムース製品”のテクスチャーは,「硬さ」18.59 kPa,「付着性」1.35 kJ/m3,「凝集性」0.60であり,嚥下困難者用食品の許可基準IIIに該当した。「5段階評点法」による官能評価では,「弾力」と「におい」以外は自らの評価基準(0)よりも高い評価をしていた。スケトウダラの“ムース製品”のORAC値は,583 μmol TE/100 gとなり,高い抗酸化能を有することが判明した。これらの結果により,“タラムース製品”は,健康増進機能性と嗜好性を高めた,嚥下困難者用食品になる可能性が示唆された。
資料
  • 瀬戸 美江, 山田 正子, 澤田 崇子, 藤本 健四郎
    2014 年47 巻2 号 p. 90-96
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/06/06
    ジャーナル フリー
    毎食,繊切りキャベツを加えることが,野菜350 g以上摂取するための有効な方法であるかを検討した。その結果,繊切りキャベツを加えることで,緑黄色野菜量は減少したが,総野菜量350gに近づけることができた。また,主食,主菜,副菜を組み合わせることが,野菜摂取につながることがわかった。とんかつ以外の和風献立や中華風献立の料理と繊切りキャベツの組み合わせに違和感を持つ学生が多かったが,衛生面に配慮して繊切りキャベツを副菜として加えることは,短い食事時間の中で野菜摂取および咀嚼回数,そして,咀嚼筋活動量も増加させる,安価で手間のかからない一つの方法ではないかと考えられた。
  • 岡本 洋子, 吉田 惠子
    2014 年47 巻2 号 p. 97-102
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/06/06
    ジャーナル フリー
    味の感じ方に及ぼす温度の影響を調べることを目的に,甘味料および市販甘味飲料を用いて官能評価法によって甘味強度を測定した。甘味料として,スクロース,D-グルコース,D-フルクトース,D-マルトース,エリスリトール,キシリトール,D-ソルビトール,マルチトールの8種類,市販甘味飲料としては11種類を用いた。実験参加者は年齢18~20歳の健康な女子学生27名である。検査の液温は,7°C,25°C(基準),43°Cとした。8種甘味料のうちD-フルクトースおよびキシリトールについては,温度による甘味強度の変化がみられたが,それ以外の甘味料は温度による呈味性の変化はみられなかった。一方,市販甘味飲料については,7°Cでは25°Cに比べ甘味強度が弱く,43°Cでは25°Cに比べ甘味強度が強い飲料が多かった。また,甘味料群では,甘味強度について温度要因の統計的な主効果に有意性はなかったが,市販甘味飲料群では,その効果に有意性がみられた。市販飲料に含まれる甘味料以外の成分について,呈味性に及ぼす影響を検討する必要が示唆された。
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