抄録
糊化度の異なるもち生粉(GR)と糊化もち粉(GGR)を用い,もち米粉置換による米粉パンの製パン性と物性への影響を検討した。うるち米粉(NGR)にGRを10,20,30%置換したGR置換パンの比容積と3日保存後のテクスチャーは,コントロールパン(NGR100%)と同等であった。一方,GGR置換パンは,置換率が高くなると比容積は低下したが,3日保存後のクラムがコントロールに比べて有意にやわらかく,凝集性は保持されていた。もち米粉置換による米粉パンの老化遅延効果は,置換するもち米粉の糊化度に依存し,パンの老化(硬化)と米粉の糊化度との間には負の相関関係が示された。