抄録
高度不飽和脂肪酸は, 分子内二重結合の数, 位置および鎖長の違い等により生理作用が異なることが知られている。その中で共役脂肪酸 (とくに共役リノール酸) およびomega-3 (n-3) 型脂肪酸 (とくにエイコサペンタエン酸, ドコサヘキサエン酸, もしくはそれらを多く含む魚油) については, 抗肥満作用への影響に関する検討や, その作用機序と考えられているエネルギー消費や脂質代謝等への影響に関する検討が, 細胞, 動物, ヒトを対象に実施され, 多数の報告がある。本総説では, これまでに報告されている共役脂肪酸とn-3型脂肪酸の抗肥満作用への有効性および作用機序に関する報告について, 最新の知見も含めて紹介する。