2021 年 54 巻 4 号 p. 186-192
マヌカハニーを用いて,高温加熱時における特有成分の熱安定性および,抗菌成分であるメチルグリオキサール(MGO)の減少を抑える調理法について検討した。飴の加工を想定した150℃加熱では,わずか10分間でMGOが約12%まで減少した。また,ニュージーランド第一次産業省が定める指標の一つである2’-メトキシアセトフェノンも10分間の加熱で有意に減少した。温度別に10分間加熱した試験では,90℃まではMGOの減少が認められなかったものの,120℃および150℃では顕著な減少が認められた。本研究より,120℃以上の高温で加熱されたマヌカハニーを含む加工品は,加えたもとのMGO量に比べて,最終製品では大きく損失していること予想されたことから,有効成分の減少を抑制するには,加工温度を下げ,加熱時間を短縮することが有効であることが示唆された。