日本調理科学会誌
Online ISSN : 2186-5787
Print ISSN : 1341-1535
ISSN-L : 1341-1535
報文
卵がパン生地のレオロジー特性と焼成後のパンの性状に及ぼす影響
石橋 ちなみ松本 茜渡壁 奈央齋藤 実梨池田 真帆重永 真志杉山 寿美
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 55 巻 6 号 p. 281-289

詳細
抄録

 本研究では,全卵,卵黄,卵白,レシチンを配合したパン生地のレオロジー特性と,パンの性状(柔らかさ,比容積,微細構造等)との関係を明らかにすることを目的とした。パン生地のレオロジー特性において,全卵配合生地,卵黄配合生地,レシチン配合生地のtan δは35℃以上で高い値を示していた。焼成後のパンの微細構造観察では,全卵配合パン,卵黄配合パン,レシチン配合パンにおいて,気泡膜の薄い大きな気泡が認められ,澱粉粒の周囲をグルテンネットワークが取り囲んでいる様子が観察された。以上より,パン生地への卵黄あるいはレシチンの配合は,加熱過程のパン生地を粘性的な性質が高いレオロジー特性とし,より広い温度域で膨張することで,生地の伸展性,ガス保持能,膨張性を高めると考えられた。これらによって,卵黄あるいはレシチンを配合したパンは,比容積が大きく,内相の柔らかい,好ましいテクスチャーとなることが示された。

著者関連情報
© 2022 一般社団法人日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top