日本調理科学会誌
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稲庭うどん生地を食塩水培地で調製したパン発酵種
大久 長範中村 光太郎長 俊広毛利 哲
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2022 年 55 巻 6 号 p. 295-298

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抄録

 発酵種を得るために,「稲庭うどん」の生地を5%または10%の食塩水培地で培養した。106/mlを超える耐塩性酵母が食塩水培養で検出された。しかし,乳酸菌の量は104/mlと少なく,従来の発酵種とは異なった。耐塩性酵母Hyphopichia burtoniiは,5%および10%の食塩水培地で優勢であった。この食塩水培養物をパン生地に加えると,生地の膨張が促進され,パンの比容積が増加した(約3cm3/g→約4cm3/g)。また調製したパンの硬度は対照よりも小さいことが分かった。耐塩性酵母が107 cfu/mlまで増加するという点で,5%生理食塩水培養は10%生理食塩水培養よりも優れていた。

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© 2022 一般社団法人日本調理科学会
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