発酵種を得るために,「稲庭うどん」の生地を5%または10%の食塩水培地で培養した。106/mlを超える耐塩性酵母が食塩水培養で検出された。しかし,乳酸菌の量は104/mlと少なく,従来の発酵種とは異なった。耐塩性酵母Hyphopichia burtoniiは,5%および10%の食塩水培地で優勢であった。この食塩水培養物をパン生地に加えると,生地の膨張が促進され,パンの比容積が増加した(約3cm3/g→約4cm3/g)。また調製したパンの硬度は対照よりも小さいことが分かった。耐塩性酵母が107 cfu/mlまで増加するという点で,5%生理食塩水培養は10%生理食塩水培養よりも優れていた。