日本調理科学会誌
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スチームコンベクションオーブンを用いたサバの加熱調理に及ぼす調味液の影響
長井 祐子柏倉 真衣綾部 園子
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2023 年 56 巻 1 号 p. 7-11

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抄録

 スチームコンベクションオーブンで風味の良い焼き魚を作るため,サバの切り身を4種類の調味液(料理酒,食塩水,砂糖水,穀物酢)のいずれかに10秒間浸し,スチームコンベクションオーブンを用いて,同一条件で調理した。焼きサバの外観,食感,味の特徴,嗜好性を評価した。

 成分測定の結果,灰分と塩分濃度は食塩水浸漬で有意に値が大きく,次いで酒浸漬が大きかった。この両者に含まれるナトリウムの量が反映されていた。また,Brix値は砂糖水浸漬で有意に高く,pH値は穀物酢浸漬で有意に低下した。官能評価の結果,総合的な嗜好性は,後味(+),しっとり感(+),酸味(-)と高い相関を示した。サバは砂糖や食塩水,または料理酒に漬けたものが有意に好まれたが,穀物酢に漬けたサバは有意に好まれなかった。これらの結果から,砂糖水,料理酒,および少量の塩に浸漬すると,嗜好性の高い焼き魚が得られることが示唆された。

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