2023 年 56 巻 2 号 p. 55-60
5種類の粉末香辛料(ローズマリー,オールスパイス,ナツメグ,ジンジャー,シナモン)を添加したドーナツの特性と抗酸化活性を検討した。ドーナツの比容積,膨化率はすべての香辛料添加ドーナツで無添加のプレーンドーナツよりも低い傾向を示した。抗酸化活性は,親水性の活性酸素吸収能力(ORAC法)によって測定した。香辛料添加ドーナツの抗酸化活性は,香辛料の添加量が多いほど高くなった。5種類の香辛料および香辛料添加ドーナツのうち,ローズマリーのH-ORAC値が最も高い値を示した。シナモン粉末は強い抗酸化効果を示したが,ドーナツに添加した場合では弱い効果を示した。したがってシナモンは抗酸化の観点から加熱処理に適さないことが示唆された。