日本調理科学会誌
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グラニュ糖と粉砕糖の加熱熔融特性がキャンディとクッキーの品質に及ぼす影響
坂本 薫森井 沙衣子
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2025 年 58 巻 5 号 p. 239-248

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抄録

 加熱熔融特性の異なる砂糖が加熱調理品に与える影響について,水分の有無に着眼して調べるため,150℃程度の温度帯から融解するグラニュ糖(W糖)とその粉砕糖(WP糖)を用い,キャンディとクッキーを調製した。W糖とWP糖ではDSC曲線に差があった。水を加えず調製したキャンディではWキャンディよりもWPキャンディが着色したが,水分を含むクッキーでは結果が逆転し,Wクッキーの方が苦味も増した。焼成前のクッキー生地では砂糖が溶け残っていたが,焼成後には小麦澱粉の粒構造を包み込むように固まっている様子が観察された。生成還元糖量にも差が生じたが,水分がない状態で加熱した調理品と水分を含む調理品では,加熱に伴う砂糖の分解状況が異なるためと考えられた。砂糖のカラメル化やアミノカルボニル反応により起こる着色物質や苦味物質の生成に差が生じ,色や味に影響すると考えられた。砂糖の融点の違いは調理品の品質に違いをもたらすが,その違いは,共存する水分とその量に大きく影響を受け,一様ではないことがわかった。

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