日本調理科学会誌
Online ISSN : 2186-5787
Print ISSN : 1341-1535
ISSN-L : 1341-1535
米の天日干し及び熱風式機械乾燥の乾燥手法の差異が品質に及ぼす影響
深井 洋一坂槇 秀夫塚田 清秀
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 40 巻 5 号 p. 347-351

詳細
抄録

天日干しと熱風乾燥の乾燥手法の差異が品質に及ぼす影響を検討した。官能検査では,総合味および硬さの3項目において,天日干しは熱風乾燥と比べ,有意に優れることが評価された。炊飯品質では,天日干しは熱風乾燥より,食味スコァ等の5項目において品質指標が向上する傾向を示した。糊化特性は,天日干しは熱風乾燥と比べて,糊化開始温度が低く,最高粘度は高かった。電子顕微鏡では明確な差の断定には至らなかったが,天日干しと熱風乾燥の澱粉粒の形状の違いが膨潤性に影響している可能性が考えられた。これらのことから,本条件下では,天日干しは熱風乾燥を上回る米の品質を具備している可能性が示唆され,米本来のおいしさを損なわない乾燥処理に起因すると推察した。

著者関連情報
© 一般社団法人日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top