抄録
本研究では,東日本大震災後の2011年4月末~5月末にかけて,一民間病院が結成したチームに参加し,一般ボランティアとして岩手県大船渡市で支援活動(おもに避難所におけるこころのケア,炊き出しなど)を行った人(n=101)を対象に,支援活動が支援者に及ぼした心理的影響を明らかにすることを目的として質問紙調査を行った。結果,「共感性満足・バーンアウト・共感性疲労/二次的トラウマ」を評価するProQOLではハイリスク者はおらず,心的外傷後ストレス障害の主要な症状である「再体験・回避・覚醒亢進」を測定するIES-Rでハイリスク者として評価されたのは8名で,ほとんどの参加者に二次的トラウマ反応は認められなかった。一方,外傷後の成長の程度を測定するPTGI-Jでは,人間的な成長を遂げるというポジティブな心理的特長が認められることが示された。これらの結果をもたらした要因としては,チーム体制で臨んだことのほか,事前の心理教育がネガティブな影響を緩和するとともに,「チームの連携」「家族からの応援」および「個別対応」や「レクリエーション」などの活動内容がポジティブな変化をもたらすことに寄与したのではないかと推察された。