カウンセリング研究
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ソーシャルスキル教育における発達段階ごとの目標スキルの選択と実施時期に関する研究
藤枝 静暁
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2014 年 47 巻 4 号 p. 221-231

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抄録

本研究の目的は,幼児期から思春期までの発達段階ごとに,子どもが学習する必要性が高いソーシャルスキルを明らかにすることであった。また,ソーシャルスキル教育(SSE)がもっとも必要とされる発達段階についても調査した。被験者は幼児保育者と小学校,中学校の担任教師および副担任教師,計300名であった。調査の結果,「相手の気持ちを考えて接する」「上手に相手の話を聞く」「自分の意見や考えをはっきりと伝える」の3つのスキルは,どの発達段階の子どもにも学習させる必要があることがわかった。「遊びなどの仲間に入れてもらう」「遊びなどの仲間に誘う」「誤解や意見のくいちがいなどのトラブルを上手に解決する」の3つのスキルに対する必要性は,子どもの発達段階によって差があった。SSEが最も必要な時期については,保育者は小学校3,4年生から高校まで,小・中学校の教師は小学校の6年間と考えていることが明らかになった。自由記述による感想から,被験者が子どものソーシャルスキルの不足とSSEの必要性を感じていることが明らかになった。

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© 2014 日本カウンセリング学会
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