臨床リウマチ
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原著
整形外科単科の有床診療所における月一回のリウマチ治療-専門医不在時の看護師の役割-
舩津丸 恵美子黛 弘美福田 めぐみ山本 武司伊藤 静子伊藤 聡石井 義則
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2018 年 30 巻 2 号 p. 126-134

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抄録

 目的:埼玉県は関節リウマチ(RA)治療のネットワークが確立されていない為,メトトレキサート(MTX)や生物学的製剤(bDMARDs)導入にあたり,事前スクリーニング・緊急時受け入れ等,地域医療機関と連携している.今回その治療成果を調査し,看護師の役割を明らかにする事を目的とした. 対象・方法:対象はRA患者78名である.MTX(M)群26名,bDMARDs(b)群14名,従来型疾患修飾抗リウマチ薬:csDMARDs (cs) 群38名に分類し,カルテより振り返り調査を行った. 結果:寛解達成率はM群100%,b群77%,cs群69%であった.専門医不在時の問い合わせはM群25件,b群31件,cs群44件であった.内容は服薬法52件,副作用13件,その他35件であり,看護師のみで対応が可能だったもの29件,専門医に問い合わせたもの31件,当院医師受診35件,連携医療機関受診は5件であった.また,調査期間に重大事象の発生は認めなかった. 結論:専門医が常駐しない診療所でも多様化したRAの薬剤治療を安全に行うことが可能であり,患者の問い合わせに迅速かつ的確に対応する事も看護師の重要な役割であることが示唆された.

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© 2018 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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