2019 年 80 巻 8 号 p. 1519-1524
症例は70歳,女性.右側腹部痛を主訴に近医を受診した.肝に腫瘤を指摘され当科へ紹介となり,非典型的な原発性肝細胞癌として肝右葉切除,胆嚢摘出術を施行した.術後病理診断にて,2010年WHO分類の神経内分泌癌(neuroendocrine carcinoma:NEC)と診断した.術前の上下部消化管内視鏡検査・CT・MRI,術後のPET-CTにおいても他部位に原発巣となり得る病変は認めず,肝原発神経内分泌癌(primary hepatic NEC:PHNEC)と考えられた.しかし,2017年にWHO分類が改定され,これに則ると今回の症例はNETG3と診断される.肝原発神経内分泌腫瘍(primary hepatic neuroendocrine tumor:PHNET)は,その症例数の少なさから診断および治療方針についての十分な知見が得られていないのが現状である.