1959 年 69 巻 4 号 p. 389-
私は前にpyrogenであるTTGを白斑局所に皮内分劃注射し,紫外線照射を併用する白斑の新治療法を提唱し,その治療実験並びに基礎実験に基いて,その奏効機序をTTGの新作用として,直接的なチロジン・チロジナーゼ反應系促進作用と抗SH作用の両面の作用をもつて白斑治癒をもたらすものと結論し,且つ,その際,種々の比較実験の結果,TTGを構成する多糖体部(C)が,チロジン・チロジナーゼ反應系を促進する因子であり,蛋白体部(P)が抗SH作用に関與する因子であろうと推論した。本論文に於て,私はこの推論を更に確めるために,TTGを分解して,その各分劃を使用して,生化学的実験を行い,前述した推論を裏書きするような興味ある結果を得たので,茲に,報告する次第である。