抄録
Langerhans細胞,すなわち,表皮の有棘層に見られる金親和性の樹枝状細胞の性格ないし本体については,従来多くの研究が行なわれたが,まだ定説がない.この細胞の光顕所見に基づいた本体論は2つに大別できる.1つはこれを表皮内の神経性要素と見るか,または皮膚に分布した末梢神経終末と密接な関係のある細胞とみなす説であり,他はこれを表皮細胞の角化過程に伴なつて排除されつつある衰退したメラノサイトと考える説である.この細胞に関する最近の電子顕微鏡的研究によると,メラノサイト説に有利な所見が多いようである.しかし,この細胞と表皮基底層のメラノサイトとでは微細構造の上で若干の相違点のあることも伴つた.それは,Langerhans細胞内にはメラノサイトに見られるようなメラニン顆粒やメラノゾームの認められないこと,Langerhans細胞内には性状不明の特異な顆粒の認められること等である.本研究は,Langerhans細胞内の特異な顆粒の本体を明らかにしようとして行なわれた.