日本皮膚科学会雑誌
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加齢によって表皮細胞および角層細胞にみられた変化
正木 仁手塚 正
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1986 年 96 巻 3 号 p. 189-

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抄録

1.ヒト下腿伸側皮膚を用いて角層の細胞層数の加齢にともなう変化を光顕的に7-(N-dimethylamino-4-methylcoumarinyl)maleimide(DACM)染色法を用い観察した.老齢者(60歳以上)の角層細胞数は若齢者(20歳以下)に比較して有意に増加することがみとめられた(p<0.001).老人性乾皮症についても同様に増加することがみとめられた(p<0.01).2.1と同部位の皮膚を用いてヒト顆粒層の加齢にともなう変化を光顕的にHE染色法を用い観察した.加齢にともない顆粒層の低形成化傾向がみとめられた(p<0.002).3.老人性乾皮症と若齢正常人(18~24歳)の下腿伸側皮膚の角層内脂質の変化をスフィンゴ脂質に注目して測定した.老人性乾皮症では角層内のスフインゴ脂質の減少がみとめられた(p<0.05),

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© 1986 日本皮膚科学会
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