デサントスポーツ科学
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Print ISSN : 0285-5739
研究論文
スポーツ活動中の熱中症発生と水分補給に伴う骨格筋内の水分特性の変化
石道 峰典
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2025 年 46 巻 p. 21-32

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抄録

高温環境下での運動による熱中症やその予防において生体内での水分子動態は重要である.しかし,熱中症発症時やその後の水分補給が自由水や結合水といった異なる性質の水分子に及ぼす影響は不明瞭である.本研究では,ラットを用いて高温環境下での走運動による熱中症やその後の水分補給が骨格筋の水分子特性や水分輸送機構に与える影響を検討した.その結果,運動による熱中症やその後の水分補給により自由水量の変化に応じて筋水分含有率が変化することが明らかとなった.一方,ヒアルロン酸濃度に変化はなく,結合水の変化には影響していない可能性が示唆された.また水分子輸送機構であるAQP1 やAQP4の発現レベルに有意な変化は認められなかった.本研究より運動による熱中症やその後の水分補給は,自由水の動態に影響を及ぼす一方で結合水には影響しない可能性が示唆された.また,水分子輸送機構はほとんど影響を受けないことも示された.

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© 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
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