デジタルゲーム学研究
Online ISSN : 2434-4052
Print ISSN : 1882-0913
死と喪失をテーマにしたゲームが学生の自己成長感に及ぼす影響の検討
死の学習経験に着目して
坂井 裕紀藤本 徹小野 充一
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2024 年 17 巻 1 号 p. 1-12

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抄録
SNSやゲームを通して様々な死と喪失に触れる現代の学生には,新しいメディアにおける死と生の捉え方の変化に応じた教育が求められる。アクティブラーニング型授業の一形態としてのゲームは,そうした現代の状況に対応した教育方法になり得る。本研究では,死や喪失をテーマにしたゲームでの教育の影響を検証するため,X大学の学生115名を対象に「喪失体験に対する意味の付与尺度」ならびに「喪失体験に起因する自己成長感尺度」を用いて介入効果を測定した。二要因分散分析の結果,死の学習経験のなし/ありグループのどちらも本ゲーム体験前後で「喪失体験に対する意味の付与」が有意に高いことが示された。また,多母集団同時分析の結果,死の学習経験なし/ありグループでは,異なるモデルが示された。これらのことから,死や喪失をテーマにしたゲームでの効果は死の学習経験の有無によって異なる可能性が示唆された。
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© 2024 日本デジタルゲーム学会
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