デジタルゲーム学研究
Online ISSN : 2434-4052
Print ISSN : 1882-0913
17 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 死の学習経験に着目して
    坂井 裕紀, 藤本 徹, 小野 充一
    2024 年17 巻1 号 p. 1-12
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/31
    ジャーナル フリー
    SNSやゲームを通して様々な死と喪失に触れる現代の学生には,新しいメディアにおける死と生の捉え方の変化に応じた教育が求められる。アクティブラーニング型授業の一形態としてのゲームは,そうした現代の状況に対応した教育方法になり得る。本研究では,死や喪失をテーマにしたゲームでの教育の影響を検証するため,X大学の学生115名を対象に「喪失体験に対する意味の付与尺度」ならびに「喪失体験に起因する自己成長感尺度」を用いて介入効果を測定した。二要因分散分析の結果,死の学習経験のなし/ありグループのどちらも本ゲーム体験前後で「喪失体験に対する意味の付与」が有意に高いことが示された。また,多母集団同時分析の結果,死の学習経験なし/ありグループでは,異なるモデルが示された。これらのことから,死や喪失をテーマにしたゲームでの効果は死の学習経験の有無によって異なる可能性が示唆された。
  • ゲーム開発会社での調査を中心に
    小野 憲史, 見舘 好隆, 渡邉 文枝, 藤川 大祐
    2024 年17 巻1 号 p. 13-22
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/31
    ジャーナル フリー
    近年、VUCA 時代を生き抜く企業人の資質として「オタク人材」が注目を集め始めている。一方で、もともとオタクの割合が多いと考えられる産業では、オタク人材に対して、一般企業とは異なる期待感を有していると想定される。そこで本研究では「趣味として何らかのことがらに没入することによって獲得/伸長されることが期待される能力であり、他の領域においても活かせる力」を「オタク力」、オタク力を持つ人材を「オタク人材」と定義した。そのうえで、ゲーム産業で企業が期待するオタク力の可能性について、M-GTA を援用して検討した。その結果、オタク人材を採用する工夫について2 つ、オタク力の可能性について3 つ、オタク力を活かす環境について2 つ、合計7 つの概念が抽出され、概念図が形成された。ストーリーラインでは「一つの事柄に没入するプロセスにおいて獲得した、最後までやり抜く力と、自らの活動を積極的に情報発信する力、そして活動を通して出会った仲間を結び付ける力が、相互にプラスの影響を与えながら業務に活かせる可能性がある。またオタク人材の獲得には、作品選考と面接の工夫が必要である。加えて、オタク力を活かすうえで、オ タク人材にとって居心地の良い空間と、オタク力を持つマネージャの存在が必要である」ことが示唆された。
  • 今給黎 隆
    2024 年17 巻1 号 p. 23-32
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/31
    ジャーナル フリー
    ゲームグラフィックスの世界において、表面の反射を計算する際にフレネルの式を用いることは多い。さらに、フレネルの式を適用する際は、Schlick により考案された近似を用いる場合が多い。しかしながら、リアルタイムレイトレーシングでの偏光を研究していく中で、Schlick による近似がフレネルの式を近似していない場合よりも低速に描画する現象を発見した。今回、現代的なグラフィックスハードウェアでのSchlick 近似に対する再検証を行った。2023 年時点で使われているGPU でのリアルタイムレンダリング及びリアルタイムレイトレーシングでは、速度的な面だけしか考えずにSchlick近似の式の実装を利用しているのであれば、近似をしない無偏光のフレネルの式に差し替えることで、同等のアプリケーションの実行速度で近似による品質を落とすことなく無偏光のフレネル効果が実現でき、実際的であることが分かった。
  • 松井 哲也, 古川 仁
    2024 年17 巻1 号 p. 33-38
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/31
    ジャーナル フリー
    本論文では、従来の二次創作研究では不足していた「どのようなキャラクターが二次創作を作られやすいか」という問題に取り組んだ。この問題に取り組むため、認知心理学分野のmind perception モデルから、キャラクターの印象を決める因子としてagency 因子とexperience 因子を導入した。さらに、古典主義的ゲーム・ロマン主義的ゲームという概念を導入し、古典主義的ゲームではagency 因子が、ロマン主義的ゲームではexperience 因子が二次創作量に寄与しているという仮定を立てた。本論文では古典主義的ゲームの代表例として「アイドルマスターシンデレラガールズ」を、ロマン主義的ゲームの代表例として「アイドルマスターシャイニーカラーズ」を選んだ。ウェブ上で数百人規模のオンラインアンケートを行い、各キャラクターageny、experience を算出し、創作投稿サイトpixiv に投稿された二次創作の量との相関を調査した。その結果、仮定を支持する結果が得られた。
  • 福井 昌則
    2024 年17 巻1 号 p. 39-40
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/31
    ジャーナル フリー
    2023 年8 月28〜30 日にギリシャのアテネにあるパンテイオン大学にて開催されたSeGAH’23 に参加した.その時の参加記を記す.
  • 小川 充洋
    2024 年17 巻1 号 p. 41
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/07/31
    ジャーナル フリー
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