抄録
本論文では、従来の二次創作研究では不足していた「どのようなキャラクターが二次創作を作られやすいか」という問題に取り組んだ。この問題に取り組むため、認知心理学分野のmind perception モデルから、キャラクターの印象を決める因子としてagency 因子とexperience 因子を導入した。さらに、古典主義的ゲーム・ロマン主義的ゲームという概念を導入し、古典主義的ゲームではagency 因子が、ロマン主義的ゲームではexperience 因子が二次創作量に寄与しているという仮定を立てた。本論文では古典主義的ゲームの代表例として「アイドルマスターシンデレラガールズ」を、ロマン主義的ゲームの代表例として「アイドルマスターシャイニーカラーズ」を選んだ。ウェブ上で数百人規模のオンラインアンケートを行い、各キャラクターageny、experience を算出し、創作投稿サイトpixiv に投稿された二次創作の量との相関を調査した。その結果、仮定を支持する結果が得られた。