抄録
ゲームレベルデザインにおいて,マップの自動生成などプロシージャルなコンテンツの生成手法が定番となってい
る.学校や都市など人工的な建造物を中心とするステージを生成する場合とは異なって,洞窟やジャングルなど自然に造形されたステージを生成するアルゴリズムも多く提案されている.しかし,周期性や規則性を含まないランダムな形状に関する定量的な評価手法は定まっていない.実際,部屋の配置に関するエントロピーや粗視化された空洞比率によるエントロピーの概念は存在するが,ゲームマップ全体の構造や印象の定量的評価には不向きである.そこで,生成されたゲームマップの微視的構造にも着目し,全体のランダム性を測る指標として微分フィルタを適用したエントロピーを導入し,ゲームマップの大域的および微視的な特徴が捉えられるという有効性を示した.本論文で提案する手法は,プロシージャルなアルゴリズムに基づいて自動的に生成されたマップだけでなく,クリエイターが手作業によって制作したゲームマップの形状評価にも有効な指標である.