Dental Materials Journal
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Nd2Fe14B磁石およびSmCo5磁石の腐食挙動
木次 朝日奥野 攻中野 毅浜中 人士黒田 敬之
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1992 年 11 巻 2 号 p. 119-129,217

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抄録
小型で強力な希土類系磁石は,歯科補綴や矯正の装置に用いられるようになってきた.このような応用を考える上で希土類系磁石の口腔内環境下で吸引力の変化と腐食について明らかにしておく必要がある.そこでNd2Fe14B磁石およびSmCo5磁石を37°Cの1%塩化ナトリウム水溶液,1%乳酸水溶液,0.05%塩酸水溶液,0.1%硫化ナトリウム水溶液,人工唾液に浸漬させ,吸引力の経時的変化,イオン溶出,重量変化,アノード分極特性を調べた.またステンレス鋼に磁石を入れレーザー溶接により密封された磁性アタッチメントの耐食性を調べた.密封されていない希土類系磁石の耐食性は不良であった,特に1%乳酸水溶液中では,激しく腐食され,吸引力も低下し溶出イオン量も多かった.磁性アタッチメントの耐食性は良好であり,レーザー溶接を行ったステンレス鋼のカプセルは防錆効果があると考えられた.
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