抄録
超微粒子フィラー配合コンポジットレジン3製品と支台築造用コンポジットレジン4製品の硬化試料のHeLa S3細胞に対する細胞毒性を調べるために,in vitro環境下で細胞コロニー形成法を駆使して実験を行った。2週間の単位浸潰期間を合計6週間にわたって,口腔内の動的環境のシミュレーションを目ざした旋回投入浸漬を続け,各時期の浸漬液を実験に用いた。その結果,テストした全材料で初期に浸漬液の濃度があがると中等度から強い細胞毒性を示した。しかし,浸漬4週目,6週目においてはその細胞毒性はほとんど消失し去った。この結果は同時にテストした従来型のConciseと酷似していたし,既にテストした他の従来型製品とも軌を一にするものであった。以上の実験結果はテストした2種類のコンポジットレジンが細胞に対して従来型製品ときわめてよく似た影響を及ぼすことを示している。
本研究の一部は文部省科学研究費補助の試験研究(56870103)による。