抄録
1.わが国の秋ギク品種‘秀芳の力’を用い, CO2施用と昼温がキクの生育, 開花および切り花品質に及ぼす影響について調べた.
2.夜温を15℃一定とした場合, 昼温15℃~25℃の範囲では, 昼温が高いほど電照打ち切り (消灯) 時の茎長が長くなったが, 茎, 葉, および根の重量はいずれも減少した.
3.開花日には消灯前・後の昼温が影響し, 消灯前は15~20℃, 消灯後は20℃の場合に最も開花が早くなった.また, 消灯前の高昼温は後作用として舌状花数を増加させ, 消灯後の高昼温は筒状花数を減少させた.
4.1000ppm濃度のCO2施用により, キクの茎長, 葉数, 重量がいずれも増加し, なかでも根の重量増加が167~200%と最も大きくなった.また開花は, 無施用区よりも2~4日早くなり, 花径も増大した。
5.消灯前の茎長, 重量および葉数などの量的形質に対して, CO2施用は, 無施用区で認められた昼温の影響を小さくするように作用したのに対し, 花首長や筒状花数などの質的要素をともなう形質に対しては, 消灯後の昼温の影響が有意に認められ, しかも昼温による形質の格差が拡大した.
6.CO2施用と無機成分含有率との関係では, 茎葉のN, CaおよびMg含有率がCO2施用区で低下した.