抄録
バレイショの生育時期を3段階に区分し, それぞれの時期に温度 (15, 25, 30℃およびガラス室) および土壌水分 (最大容水量の75, 60および45%) を変えてポット栽培した場合について, 光合成 (PN) , 気孔抵抗 (RS) , 蒸散 (TR) , 暗呼吸 (DR) ならびに葉色 (SPAD値, LC) に及ぼす影響を調査した.生育時期は, I: 栄養生長期~塊茎形成期, II: 塊茎形成期~塊茎肥大初期, III: 塊茎肥大初期~成熟期に区分した.供試品種はメークイン, デジマおよび農林1号である.PNはすべての処理期間を通じ, 25℃の温度条件下で高く, 30℃で低くなった.しかし, 高温下ではRSが低下し, DR, TRおよびLCは高くなった.同様に, 高土壌水分下ではすべての生育時期の処理でPNが増加したが, 低土壌水分下ではDR, TRが減少し, RS, LCは増加した.生育時期および品種をコミにした平均値で比較すると, 容水量60%および45%区で75%区に比べ, PNが17%, 37%, TRが18%, 37%, DRが26%, 41%それぞれ減少した.温度処理については.対照としたガラス室区に比べ, PNは30℃で16%減少し, 15および25℃で4%および13%増加した.また, 30℃ではTR20%, DRが35%増加した.PNの減少程度はII期の高温処理およびI期の水ストレス処理で最大となった.本研究の結果から, 土壌水分ストレスは温度処理よりもPNに及ぼす影響が大きく, PN, RS, TR, DR, LCは土壌水分および温度に依存する特性であり, バレイショのPNに対しては25℃が最適温度であると結論した.