2021 年 65 巻 2 号 p. 29-33
生体内には常に数千種類を超える酵素が発現しており,特定の酵素のはたらきの異常が病気の進行と関連する例が数多く報告されている.しかしながら,いまだに,「疾患との関わりが見出されていない」,「疾患との関わりが示唆されているがそのメカニズムが明らかにされていない」,「疾患との関わり,メカニズムが理解されているが,その機能を制御する手法が確立されていない」といった酵素は数多く存在する.著者らは,酵素の動的機能の理解を可能とするケミカルバイオロジーの研究ツールを開発し,疾患と関連する酵素を「探す」「視る」「操る」ことを目的とした研究を進めてきた.中でも,非変性の電気泳動を用いて,生体内に存在するタンパク質を酵素活性に応じて探索する方法論diced electrophoresis gelアッセイ法の開発および,これを用いて疾患と関わるタンパク質の機能異常を「探す」研究について,本論文で紹介させていただきたい.