抄録
本研究では,教職志望大学生を対象に,小学生のための不便益の教材内容および不便益に関する経験を計量テキスト分析から明らかにした。また,教育における不便益の教材開発や指導案を作成する授業実践から得られた学習効果を検討した。その結果,「手紙を書く」,「自分で考える」,「本で調べる」,「紙の辞書で調べる」,「筆算で計算する」という教材を用いて授業を行う必要があると考えている。一方,不便益に関する経験では,不便益の教材とほぼ同じ内容であることが明らかになった。また,授業実践から手間をかけるなどの不便益を子ども達に指導し,工夫させることが今後ますます重要になると考えていることが明らかになり,学習効果はあったことが示唆された。