抄録
2013年10月16日の台風26号の通過に伴い大規模な斜面崩壊が発生した伊豆大島において、崩壊斜面周辺に分布する倒木の樹種、樹高、根系深や根系幅といった根系の分布状況について調査を行った。調査した倒木の根系深と根系幅は樹種によって異なっていた。計測した倒木はヒサカキが最も多く、次にハチジョウイヌツゲが多く分布していた。これらは表層の浅い範囲に根を広げる傾向があった。ヤブツバキやオオシマザクラは比較的地下深くに根を広げる傾向が認められたが、本数は少なかった。このことから、崩壊した斜面では崩壊を抑制させづらい樹種構成であったことも崩壊の素因としてあったことが推測された。