抄録
茨城県かすみがうら市の森林総合研究所千代田苗畑のチョウ類相を解明するために調査を行った。その結果、1997 ~ 2016年の20年間に、アゲハチョウ科10種、シロチョウ科6種、シジミチョウ科17種、タテハチョウ科30種、セセリチョウ科8種、合計71種が記録された。記録種のうち、ムラサキツバメ、ナガサキアゲハ、ツマグロヒョウモンは2000年代に、アカボシゴマダラは2010年代に千代田苗畑に侵入したと考えられた。記録された71種を田中の基準に基づいて分類したところ、森林性種は51種(71.8%)、草原性種は20種(28.2%)であった。巣瀬の環境指数(EI)の値は145 で、「良好な林や草原」にあたる「多自然」と評価された。記録種の地理的分布型の構成比を日本全体と比較すると、シベリア型(15.5%)や汎熱帯型(8.5%)の種が占める割合は低く、中華型(23.9%)の種が占める割合が高かった。国または茨城県のレッドリストに掲載された種としては、ツマグロキチョウ、オオムラサキ、ウラゴマダラシジミ、クロミドリシジミの4種が記録された。