抄録
多種多様なニーズが求められる都市林で持続可能な森林管理を実現していくためには、利害関係者の参加と協働による森林ガバナンスの確立が重要な課題となってきている。本研究は、都市林におけるより良いガバナンスの実現のために、ガバナンスの現状を評価する手法の検討を行った。まず、森林におけるガバナンスの概念的な検討を行い、次にガバナンスの評価手法について考察した。続いて、野幌国有林を事例として、森林再生やその他の保全管理活動に関わる市民団体に対して実施した意識調査の中から、ガバナンス評価に利用可能な14の指標を抽出し、評価を試みた。その結果、ガバナンスの評価は全体的にはあまり高い値を示しておらず、特に財政的支援に対する評価が低い値となっ
た。また、市民団体と国有林との関わり方の違いによって、評価に差が見られた。以上より、森林との関わり方の違いによって、ガバナンスに対する関係者の評価は異なってくると考えられることから、より包括的な評価を行うためには多様な関係者を対象とした評価を実施する必要がある。