森林総合研究所研究報告
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海岸防災林再生事業で造成された盛土の深耕による硬度と透水性の変化
篠宮 佳樹 今矢 明宏坂本 知己
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キーワード: 深耕, 盛土, 海岸林再生, 締固め
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2017 年 16 巻 4 号 p. 249-256

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抄録

東日本大震災後の海岸防災林再生事業で造成された生育基盤盛土の一部では、水溜まりの発生や盛土の硬さが問題となり、改善作業が実施されている。本研究では、宮城県名取市の盛土におけるスケルトンバケット式バックホウによる深耕の効果とその持続性について明らかにするため、透水性及び硬度を調査した。硬度は長谷川式土壌貫入計を用いて、透水性は採土円筒により非攪乱状態の盛土を持ち帰り、定水位法で測定した。その結果、深耕による盛土の硬度の低下と透水性の改善を確認した。深耕から3か月、6か月経過後、0 ~ 10 cm の最表層で再硬化と透水性の低下が認められたが、10 cm以深の盛土は柔らかく、深耕の効果が持続していた。

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© 2017 森林総合研究所
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