抄録
トドマツ人工林の主伐後に地がきによってカンバ類など高木性樹種の天然更新を図る際に、稚樹密度に影響を及ぼす要因を特定することを目的として、北海道内5カ所に試験地を設定した。そして、地がきの有無、競合する植生の群落高、またカンバ類については周囲の成木からの距離と稚樹密度との関係を解析した。その結果、(1) 地がきは稚樹密度に正の影響を及ぼし、(2) 植生の群落高は稚樹密度に負の影響を及ぼし、(3) 地がきは植生の群落高に負の影響を及ぼしていた。また、(4) カンバ類の稚樹密度は、カンバ類成木からの距離が遠くなるほど低くなっていた。しかし、カンバ類の稚樹密度は既往の研究例と比較すると低く、今回の地がき試験地におけるカンバ類による天然更新の可能性は高いとはいえなかった。その理由として、散布種子密度が低かった可能性が考えられた。